恋愛依存症

恋愛依存症とは ~愛という名のドラッグ~

まずは依存症(嗜癖)についてです。
アデイクション(嗜癖)
コントロールがきかなくなった悪習慣『依存症』という表現が一般的にわかりやすいと思いますが、
その対象は、物質・行動・関係に分類されます。

物質:アルコール、各種薬物等
行動:ギャンブル、摂食障害、買い物等
関係:恋愛依存症(共依存・依存・セックス・ロマンス)依存

どうでしょうか?依存症は陥る、それがなければ自分が保てない状態、そして健康・精神・社会生活を蝕む状態。
すべての依存症の根底には『愛情』という生きていくためには不可欠なテーマがあります。
歪んだ愛情、欲しくても貰えなかった愛情、それが生きていく中で色んな障壁なっています。

いつも苦しい恋に堕ちると感じている方

他の依存症は依存症である特徴がわかりやすく、明確な尺度がありますが恋愛依存症(ラブ・アデイクション)はわかりにくいところがあります。でも放っておけば、想像以上に大きな問題に膨れ上がってしまいます。苦しい恋から脱出するために、まずは私と一緒に自分を見つめ、関係性を分析し何故そんな恋に陥るのか自分自身で理解出来るようになることです。それが出来れば恋愛依存症からの脱出準備が始められます。たった一人ではその歪んだ関係から離脱するのは難しいでしょう。
いつか貴方が本物の温かい愛情に包まれる人に出会うために貴方のバディ(一番の理解者、仲間)になりたいと思っています。

◆依存症◆ アデイクション addiction《特徴》

『でも本当はいい人なんです』『私がいないとダメなんです』
こんな言葉が出るなら要注意です。

そして感情のジェットコースター=感情の変化が激しい関係
愛や喜び・信頼のような感情があっという間に憎しみや憂うつ・嫉妬のような感情に入れ替わるような状態。
『愛と憎しみ』『信頼と嫉妬』『喜びと抑うつ』
この三分野で愛情飢餓が働くとハワード・M・ハルパーン(米国心理療法家協会会長)は言っています。

愛情飢餓とは幼児期、母親からの愛情欠如、
そして分離独立というプロセスがうまくいかなかったことで起こること。

幼児期に母親から十分に愛情をもらい密着し安心を得ます。
そして子供が自分から歩き出すことを許し、また戻ってきては歩き出す。
そしてこの時に母子ともに支えが必要になります。
母親は離したくないという気持ち。子供は離れていくことへの不安。
そんな時期に父親は妻を支え、子供に外の世界の素晴らしさを見せ危険に対処する術を教え勇気と自信を授けます。

それがうまくいかず獲得したかった愛情が得られていない人、
欲求が満たされないまま育った人、
また歪んだ愛情を受けて育った人、酷い仕打ち(虐待等)を受けた人等

その飢餓レベルが高いことで起こると言われる依存症。
大人になっても、心の深層部で飢餓状態が続いている人達。
恋愛依存症の場合、個人個人受けた飢餓体験によってかたちは変化しますが今度は親の代理人として恋人で(その逆も、この二人が揃うと共依存)再現しようとしてしまいます。
ずっと心の中でやり残した仕事があり、こうしてほしかった・こんな愛情がほしかった。優しくない親を優しくしたかった、冷たい親を温かい親にしたいとずっと思っていた。
抑うつ的な親に育てられた人が暗く沈んだ恋人をもって必死に微笑ませようとする自己中心的な親に育てられた人は身勝手な恋人にくりかえし愛をこう。卑劣な親を持った人は、残酷な恋人を優しい人にしようとしていた。それを再現しているだけの関係ですから、本人にとっても相手にとってもその関係性は決して本当の愛情あってのものではありません。
またそれを求めているときは『子供かえり』の状態になりますから、時間も子供の時間軸になり、1秒が1分が1時間がとてつもなく長い時間にとらえられ、連絡がこなかったり待たされたりしているときこの状態になると、不安で不安で何度も何度も電話したりしてしまいます。でもこの状態から離れれば通常の時間軸で意識できるようになります。

特徴

自分がコントロールしていると思っていても実は自分がコントロールされている。
相手を変えて見せる!そう思っていている。
何かを提供しないと愛される資格がないと感じてしまう。

それはちょっとした感じ方ではなく脅迫的に感じる人達。
『憑りつかれる』といった状態でもあります。

『その人にとどまる』どんな酷い状態でも、そしてどんなに周りの人達から別れたほうがいいと言われても別れることができない。
一度別れてもまた戻ってしまう。そんな状況を繰り返すと周りの人にもなたかと思われに相談できなくなったり、逆に周りの人から非難される恋人をかばってしまったります。

その人と別れることを考えただけでパニックに陥るような感じる。
別れるかどうかが死ぬか生きるかの問題のように感じる。
幼児期は親がいなくなれば生きていけない、その不安が蘇る。
別れを決心しても行動を起こそうとすると不安でおしつぶされそうになってしまう。

実際に別れたあと『禁断症状』を起こす。
アルコールや薬物依存と同じように断ったあとの苦しみに襲われる。
身体的(お腹や胸が痛くなる)涙がとまらなくなる・不眠・イライラ・憂うつ
そこから逃れるためにまた戻ろうとすることもある

それを乗り越えたあと開放感・達成感・勝利の感覚が湧き出てくる。
普通の恋愛の場合、別れのあとはゆっくり持続的に悲しみを受け入れていくもの。
これも恋愛依存症の特徴のひとつです。

もしかすると私も恋愛依存症?そう思われたら自己診断を。
恋愛依存症チェックシート

恋愛依存症(続編)~何故その人を選ぶのか~

貴方はどんな人を好きになりやすいのか、どんなきっかけで付き合うことになるのか。
そしてどんなつきあいかたをするのか、どんな別れ方をするのか。

恋愛は決して運や偶然で決まるものではなく、親子関係や過去の経験で形成されたあなたの心があなたの恋愛を決定づけているからです。どんな恋愛をしようと貴方らしさが必ず出てきます。

共依存

酷い相手も依存症であり、そんな依存症者に依存する。
特定の人の行動に左右されていて、かつ自分は相手の行動をコントロールしなければならないという脅迫観念にとらわれているいる人達(メロデイ・ビーテイ)。必要とされることを必要とするのが特徴です。自分の存在価値はあくまで他人次第。

『酷い相手に思いを寄せる』
例)ヒモ男との恋愛を繰り返す
酒とギャンブルに溺れ仕事が続かない彼。
経済的・精神的支援をしている私。

例)DV男に耐え続ける
相手の些細な言動・行動や全く関係ないことでもイライラしてはキレ、暴力を振るう。
それでも時折見せる優しさや哀願に私がいなければと別れられないでいる。

例)不幸な貴方を幸せにしてあげたい
不幸な女性を幸せにしてあげるために頑張るのが自分の恋愛パターン。
精神的・経済的・あらゆることに対して無条件に助けてくれる相手を選ぶ。

以上がわかりやすい例ですが、交流分析で分類される心の状態、親parent大人adult子供child、これはどんな人にもこの3要素があり、それが個人個人どの部分が強いか弱いかで分析されます。
この分類で分けると、共依存はの関係で成立していることがわかります。共依存ではこのひどい相手加害者と被害者実は心の奥底でお互いを必要としています。

もしかすると私達も共依存?そう思われたら自己診断を。
共依存チェックシート

依存者をひきつける回避依存者

共通点:恋人との親密な関係を避ける。
人と人の境界の壁があまりに高く硬い、共依存者のもろく低いのと逆である。

独裁者タイプ(権力依存者にもあてはまる。自分のほうが上という心理的快感)

権力を握るやり方

  • 身体的暴力
  • 精神的暴力
  • 経済的暴力
『オレ様はお前を支配する。お前は黙ってオレの言うことを聞け』

搾取者タイプ(利用することにもっとも価値ををおく・独裁者タイプのように上下関係に興味はない)

脅しをかけるのではなく、自分に対する愛情や相手の心理的弱点を利用する。
『俺のこと、私のこと愛してくるなら、、、頼むよ』この台詞のあとに、~してくれるはずだ、~してくれて当然だ。
『お前がお金を貸してくれなければ首を吊るしかない』
『どうしておれはいつもうまくいかないんだ。一体どうすればいいんだ』
不幸をなげいているようで、ほらだからお前は助けなきゃいけないんだと言っている。

ナルシストタイプ(自分の理想を押し付ける)

『はっきりいってさあ、その服おれの好みじゃないなあ』
彼に似合う女でいようとしへとへとになる。

脱走者タイプ(愛が深まるほど別れたくなる)

女性からの激しい求愛や要求を前にすると怖気づいて逃げ出す。
束縛を嫌い、自由でいたいというが実の心理は束縛や自由の喪失を過剰に恐れる。
よって数ヵ月しか交際が続かないケースが多い

愛情飢餓の強い人達が引き止めておく方法

なんとしても相手を自分のもとにひきとめておこうとします。
そのために色んなテクニックを使います。
それは無意識に使うことも多く頻度も人それぞれです。

  • 力をみせつける俺の言うとおりにしろ、、さもないと
  • 弱さで支配する貴方がいないと生きていけない
  • ひたすら尽くす要望に応じる奉仕人
  • 罪悪感を抱かせる貴方が言うとおりしないと辛くてしかたない
  • 嫉妬させる相手を失う不安・自分には価値がないのではという不安

    俺のいうとおりにしろのような強気で傲慢な態度そのあとに泣きながら哀願する。
    このように色んなテクニックをミックスすること、また男と女の場合たくみにセックスという快楽・愛情表現を入れることでより効果が上がることがあります。

    共依存症からの脱出

    ①体に聞いてみる

    共依存の回路にはまると自分自分が何を感じているのか、どうしたいのかわからなくなります。
    そんな時は自分の体で感じてみてください。体は正直です。
    この胸のつかえは?胃の中に感じる硬いものは?あごが緊張してるのは?背中が追い立てられるのは?
    その感じるモヤモヤの正体を探ることからです。

    ②行動の前にストップ

    そして行動を起こしそうになったらストップをかけていきます。
    そして人と人の境界をきちんと設定していきます。
    これは私の問題?相手の問題?私の感情?相手の感情?私の責任?相手の責任?
    相手の感情や行動に責任を感じてしまうことはありませんか?
    この人のイライラを私がなんとかしてあげなければ。悲しみを消してあげなければ。
    それは果たして貴方の責任でしょうか。

    愛情飢餓が働くと通常の認識とは違ってきます。
    なので心が落ち着いている時に自分あてに手紙を書くのも有効です。
    そしてまた愛情飢餓状態になった時にその手紙みてみるんです。
    そうすることで、落ち着きやストップそして違う理解が生まれてきます。

    ③自分自身を見つめ、相手との境界線をしっかりひく

    逆に貴方はこうすべきだと決めてかかっていませんか?
    この方が正しいのに、こうやればうまくいくのに、こう考えればいいのに、
    それは貴方が決めることでしょうか。
    幸せにしてくれなきゃいや。どんな私になったらいい?
    どう感じるかは私ではなくその人の問題です。
    他人の感情に貴方が責任を感じることはない。
    私は私自身に責任をもって自分を生きればいい。私が解決できるのは私の問題。

    ④心をリラックス

    そして五感に気持ちのいいことを始めてください。
    目標を達成したり、誰かに勝つため成果を上げるためでもなく、
    私にとって気持ちのいいことです。
    私にとって気持ちのいいこと?人に感謝されること、人に好かれること、、、
    あれあれ、違います。もう人を見るのはやめて。私は何が好き?何をすると楽しめる?
    どんなときに安らげる?わくわくしてきらはじめてみてください。
    ただ楽しむ・リラックスする・私だけのために私を喜ばせてください。
    何をしたらいいのかわからない。そんな時は私が生まれて初めてまたは幼児期に自らしたことそれを思い出してください。そーいえば台の上で勝手に踊ってた、クレヨンで絵を書くのが好きだった。それが本当に貴方がしたいことを教えてくれます。

    このプロセスをすすめるには孤立しないで援助してくれる理解者が大きな助けになります。

    その他の依存症

    セックス依存症〜セックスという行為に取り憑かれている状態〜

    セックスをせずにはいられない状態。
    性衝動を自分ではコントロールできなくなっている状態。
    クロスアデイクション⇒他の依存症(アデイクション)も持っているケースが多い。
    女性なら拒食・過食症。男性の場合ギャンブル依存症も多く見受けられます。
    セックス依存症チェックシート

    ロマンス依存〜愛の刺激にはまる人達〜

    まず愛とは何かである
    『愛とは、、、、、である』この空欄を埋めてみてほしい。貴方の愛のとは何か見えてくる。
    波乱万丈・刺激的なストーリーを求める《刺激・興奮は必須》
    現実を忘れさせてくれるような甘くとろけるストーリーと同時に刺激・興奮・情熱・危険・波乱。身がよじれ頭がどうにかなりうそうな位の感情の起伏がないとだめ。その人をどれくらい苦しめるか、程度が軽い分非常に多くいる。また手の届かないような相手にばかり挑戦する人もいる。
    誰もが陥りやすい、ロマンス依存症チェックシート